瞑想

集中と観察

向ける・気づく・戻す

ブレたことに、気づいてみましょう。

やることは、ひとつだけ

一点に集中し続ける。それだけです。

まずは、目の前の何かを一点決めてください。壁のシミでも、置いてあるコップでも、掛かっている絵の角でも構いません。何を選んでも同じです。

ひとつだけ、選び方に条件があります。目線が水平か、やや上になる高さのものにしてください。下を向くと、首が落ちて姿勢が崩れます。姿勢が崩れると、そちらが気になって、それだけでブレます。

決めたら、そこを見続けます。

姿勢と時間

座り方は問いません。椅子でも、床でも、あぐらでも構いません。問うのは目線の高さだけです。水平か、やや上。そこさえ守れれば、あとは楽な形で構いません。

寝たまま、天井の一点を見つめる形でも大丈夫です。この場合は目線が真上になりますが、寝ていれば首は落ちません。避けたいのは下を向くことなので、上を向くぶんには問題ありません。

時間は、最低でも5分から10分。慣れてきたら20分ほど取れると良いと思います。ただ、これは目安です。好きなだけやってください。

瞬きは、我慢しないでください。一点を見続けていると瞬きが減って、目が乾きます。乾いたら瞬きをして、また戻れば良いだけです。瞬きを我慢することが目的ではありません。

すぐにブレます

まず続きません。数秒ももたずに、どこかへ行きます。

ブレ方は、ひとつではありません。

どれも同じことです。それでいいんです。むしろ、そうなるように作られています。

ブレたことに気づいたら、また戻す。またブレる。また気づいて、戻す。この繰り返しが、そのまま中身です。

考え始めたら、それは別のことです

ブレたときに、「なぜブレたんだろう」「さっきのあれが気になっているのかな」と考え始めることがあります。

そこは掘らないでください。考え始めた時点で、それはもう集中ではなく、ただの考え事です。

理由を探さない。ただ戻る。それだけです。

気づかなければ、戻せない

ここに、瞑想の面白いところがあります。

ブレたことに気づけなければ、戻すことはできません。かといって、戻そうとしていなければ、ブレたことにも気づきません。集中していることと、ブレに気づくことは、切り離せません。

片方をやってから、もう片方をやる、という順番ではないのです。同時に起きています。

うまくできない、が普通です

「自分は集中力がないから」と思う方が多いのですが、逆です。

ほとんど必ずブレます。それが前提で組んであります。ブレる回数が多いほど、気づいて戻す回数も多いということです。

長く座れたか、深く入れたか。そういうものは目安にしません。何分できたかを競うものではありません。

続けていくと

座っている間だけの話ではありません。

続けていくと、日常のなかでも同じことが起きるようになります。話を聞いているつもりが、途中から自分の返事を考えていた。目の前に人がいるのに、その人を見ていない。読んでいるページを目で追っていただけで、内容が入っていない。そういうときに、ブレていたことに気づけるようになります。

気づけば、戻せます。座っているときにやっているのと、まったく同じことです。

始める前に

はじめに

これは医療行為ではありません。

治療の代わりになるものではなく、診断を行うものでもありません。現在なんらかの症状で治療を受けている方は、主治医の指示を優先してください。

また、感じ方や変化には個人差があります。同じように行っても、同じことが起きるとは限りません。

呼吸が先です

座る前に、基本の呼吸を先に身につけてください。

じっとしていると、感情が動くことがあります。呼吸のときと同じで、涙が出たり、身体が震えたり、昔のことを思い出したりします。

そうなったときに戻ってくる手段を、先に持っておく必要があります。座るのはその後です。順番が逆になると、動揺したときに自分で戻れません。

基本の呼吸を読む

強い反応が出たとき

じっと座っていると、感情が動くことがあります。涙が出る、身体が震える、昔のことを思い出す。珍しいことではありません。何かがおかしくなったわけでも、やり方を間違えたわけでもありません。

そうなったら、無理に続けず、そこで一息、入れてください。鼻から吸って、口から「フーッ」と吐く。強くやらず、長く、穏やかに。落ち着くまで、そこで待ちます。収まりきらないまま次の用事に移ると、それを引きずったまま一日を過ごすことになります。

出てきたものを、その場で整理しようとしなくて大丈夫です。なぜ今これを思い出したのか、あのときのことが尾を引いているのか——そうした詮索は要りません。ここでやることは、落ち着くところまでです。その先は、また別の話になります。

同じことが何度も出てくることもあります。そのときは、ひとりで続けて片づけようとしないでください。

持病のある方へ

ここに書いた形——目の前の何かを見つめる——には、特別な制限はありません。普通に前を見ているだけだからです。

ただ、この先は身体に負荷を掛けていきます。以下に当てはまる方は、その段階に進む前に確認が必要です。

  • 緑内障、網膜剥離などの目の病気がある
  • 心臓の病気で治療を受けている
  • 12歳未満である

対面で進める際に伺います。始めてから確認するのでは遅い場合があるためです。

ここに挙げていないことが、安全であることを意味するわけではありません。

この先について

ここまでで、やることは全部お伝えしました。目の前の一点を見続ける。ブレたら戻す。これだけで、今日から始められます。

やることは、この先も変わりません。一点に集中し続ける。ブレたら戻す。最初から最後まで、これだけです。

変わるのは、どこに集中するかだけです。

目の前の一点から始めて、続けていくと、集中する先が変わっていきます。次は、身体の一点です。そこに負荷を掛けて、そこに集中していきます。

当てはまらない条件がないかを先に確認する必要があるため、対面でお伝えしています。

その先にも、集中する先が変わっていく段階があります。進んだ方に、順にお伝えしています。

先へ進まないから足りない、ということはありません。ブレたことに気づいて戻せるようになる——それだけで、日常はかなり変わります。目の前の一点で、そこまでは十分に届きます。

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